シミやたるみ、そばかすなど、加齢によるお肌のトラブルは避けられませんが、中でも、女性たちにとって大きな悩みとなるのが口元の「ほうれい線」です。
ほうれい線があるだけでも、一気に歳を取った印象を与えがちですよね。
不思議なことに、ほうれい線は、若い女性にもみられるケースもあるので、できやすい人とできにくい人の特徴もあるようです。
そもそも、なぜ、ほうれい線はできてしまうのか?
ほうれい線ができる原因や特徴、ほうれい線を改善するための方法についてシェアしたいと思います。
すでにほうれい線に悩んでいる人や、ほうれい線を上手に予防したい人はぜひチェックしてみてください。
目次
ほうれい線ができる原因って?
口元にくっきりと刻まれたほうれい線については、アラフォー世代の大きな悩みの一つでもありますよね。
しかし、20代という若いうちからほうれい線に悩まされている人も多いようです。そもそも、なぜほうれい線はできるのでしょうか。
ほうれい線は陥凹(かんおう)ジワの一種!
そもそもほうれい線はシワの一種だと考えられる人も多いのではないでしょうか。
ちなみにシワの種類には、小ジワや中ジワ、表情ジワ、垂れジワなどが存在します。
中でもほうれい線については陥凹(かんおう)ジワの一種といわれています。
陥凹(かんおう)ジワとは、小ジワ、中ジワと比較してより深いシワだと認識されています。
構造的にも深いシワなので、くぼみにも近いものともいえます。
ほうれい線ができるメカニズムとしては、まずは肌の真皮層にあるコラーゲンやエラスチンの減少が原因だといわれています。
次に、その下層にある表情筋肉が収縮すること、組織細胞が劣化することによってクッキリと刻まれるようになります。
ほうれい線ができる原因について詳しく解説してまいりましょう。
原因①皮層にあるコラーゲンやエラスチンの減少
皮膚とは、もともと表皮と真皮、皮下組織の3つから成り立っています。
真皮層にはコラーゲンやエラスチンが存在します。コラーゲンやエラスチンは、加齢に伴いどんどん減少していきます。
コラーゲンが約7割ほどを占めるのに比較して、エラスチンが占める割合は約4%ほどだそうです。
エラスチンはゴムのように伸縮するといった特徴があります。コラーゲンとエラスチンは、お互いが結びつくことで肌の弾力やハリを作るなどの働きがあります。
コラーゲンとエラスチンが減少すると、たちまち肌のハリや弾力がなくなり、たるみを引き起こす原因にもなります。
コラーゲンやエラスチンの減少は、たるみだけでなく、シミやそばかすの原因にもなりやすいといわれています。
他にも血管硬化を起こしたり、心筋梗塞や脳血栓、動脈硬化などの悪影響を及ぼす可能性さえあるのでコラーゲンとエラスチンの働きをサポートすることが大切です。
原因②表情筋肉の収縮
ほうれい線については、真皮の下に存在する表情筋の収縮が原因でできるものがあります。
口元はよく動かす部分でもありますよね。知らずと癖になっている動作がほうれい線を作ってしまうなんてケースさえあります。
また、表情筋の癖にかぎらず、顔の筋力の衰えなども、口元のたるみやほうれい線につながることがあります。
原因③脂肪組織の劣化
ほうれい線ができやすい原因の一つに、脂肪組織の劣化も挙げられます。
女性で過激なダイエットに取り組む人が多くみられますが、太ったり痩せたりを繰り返していると、自然と顔にもシミやたるみができやすくなります。
実は体系に過度な変化がない方が、シミやシワ、たるみなどは基本的にできにくいのです。
原因④紫外線のダメージを受ける
加齢に伴い、お肌全体の水分量が減少し、コラーゲンやエラスチンが減少することで肌の真皮が劣化してたるみの症状も進行していきます。
コラーゲンやエラスチンを減少させて真皮の劣化を促すのが紫外線によるダメージです。
毎日しっかり日焼け止めを塗ったり、UV効果のある保湿乳液などでお肌を紫外線から守らないと、コラーゲンとエラスチンを破壊して肌の乾燥をうながし、ほうれい線はひどくなるばかり。
保湿効果のある日焼け止めをしっかりと塗り込むことが乾燥対策にもなり、ほうれい線を予防するにも有効です。
とくに皮膚の薄い口元については、乾燥しがちでシワができやすく、ほうれい線を作る原因にもなりやすいので注意が必要です。
メイクをする前にしっかりと保湿やUV効果のある日焼け止めをほうれい線周辺にやさしく塗り込むことをおすすめします。
原因⑤肌の乾燥
肌が乾燥することで、小ジワや中ジワなどが増えます。
さらに、お肌の乾燥は陥凹(かんおう)ジワをも作る原因にもなるので、その分ほうれい線はできやすくなります。
極度な乾燥は、コラーゲンやエラスチンを減少させるだけでなく、変性させる作用さえあります。
コラーゲンやエラスチンが減少すれば、肌の弾力やハリはたちまち奪われて、シミやシワができやすい肌質になってしまいます。
毎日正しいスキンケアによって肌を乾燥から守ることがほうれい線や顔全体のシワ予防に繋がります。
ほうれい線ができやすい人の特徴
ほうれい線ができる原因についてはご理解いただけたと思います。
次に、ほうれい線ができやすい人の特徴について説明してまいります。
特徴①寝るときの姿勢が悪い人
あなたは普段から眠るときの姿勢について意識したことがありますか?
上向けの姿勢で眠れる人は問題ないのですが、中には片側の頬を枕や布団につけて眠る癖がある人もいますよね。
こういった長年の癖は直しづらいものではありますが、これについては気をつけないと、頬の重みによって皮膚が垂れやすく、ほうれい線ができやすくなってしまいます。
ほうれい線を改善するためには仰向けで眠る癖をつけましょう。
特徴②普段からうつむきがちな人
普段の姿勢がほうれい線に影響するとは考えられないかもしれません。
しかし、猫背が体の骨に悪く、さらにゆがんだ体をつくってしまうように、やはり姿勢は肌にも大事な要素といえるでしょう。
多くの人がスマホを見るときにひざ元で見るので、姿勢がややうつむきがちになります。
歩く時も上を見るよりも、下を見ている人の方が多いようです。
こういった毎日の習慣によって、肌の重力が下にいきやすくなるため、肌のたるみを引き起こす原因にも。
その結果、自然とほうれい線を作りやすくなります。
仕事中もなるべくうつむかないよう意識することが大切です。
特徴③片側で食べ物をかむ癖がある人
あなたは、ものを食べるときに、片方の口で噛む癖がありませんか?
食事は毎日するものですから、噛むというのはとても重要な行為です。
ずっと片側でばかり食べ物を噛んでいると自然と顔が歪んでしまうこともあります。
顔の歪みは、シワなどを作りやすいため、ほうれい線ができる原因にもなります。
なるべく両方の口でバランスよく食事をするようにしましょう。
ほうれい線に効果的なマッサージ方法
今からほうれい線を改善するのに簡単でおすすめの唇の運動やマッサージ方法についてご紹介します。
どれも通勤中や眠る前にできる簡単な方法です。ぜひ実践してみてくださいね。
唇の口輪筋を鍛えれば、ほうれい線予防につながる!
顔には30個以上の表情筋があるといわれています。
とくにその中心となるのが唇を囲む口輪筋です。唇の筋力を鍛えることで、目や鼻、頬の筋力をも鍛えることができます。
口輪筋を鍛えてしっかりとほうれい線を予防しましょう。
おすすめマッサージ①「ホ」や「オ」の発音で唇を縦に伸ばしましょう
唇を縦に伸ばすように「ホ」や「オ」のフォームを作ると、自然とほうれい線が伸びることがおわかりいただけると思います。
この運動は、朝起きたときや職場でも簡単に実践することができます。
「ホ」や「オ」のフォームを作り日頃から唇を縦に伸ばす練習をすることでほうれい線が薄くなっていくような感じがしますよ。
- 上下の歯を離した状態で唇で「ホ」のフォームを作ります。
- ほうれい線を縦に伸ばすことを意識し、強く口元を引き締めます。
- 「ホ」のフォームで唇を縦に伸ばした状態を10秒ほどキープ。
- これを3回ほど繰り返します。
- 今度は、同じように上下の歯を離した状態で唇で「オ」のフォームを作ります。
- ほうれい線を縦に伸ばすことを意識し、強く口元を引き締めます。
- 「オ」のフォームで唇を縦に伸ばした状態を10秒ほどキープ。
- これを3回ほど繰り返します。
ポイント
「ホ」や「オ」のフォームを作るときは、ぐっと唇を締めるのを意識するのがポイント。そして、口を思い切り縦に伸ばして下に引っ張るようなイメージでおこないます。
ほうれい線を縦に伸ばす癖を定期的につけることで、自然とほうれい線が薄くなっていきます。
ほうれい線の状態を確かめたい人は鏡越しに顔のトレーニングを実践することをおすすめします。
唇を縦に伸ばした状態のときに、まだほうれい線が目立つ状態の場合は、さらに唇を引き締めて下を引き込むようにしてほうれい線が見えなくなるまでしっかりと伸ばしましょう。
おすすめマッサージ②「オ」の状態で口角を引っ張り上げる
このマッサージは、垂れさがる顔の脂肪を防止する役目をもつ広頸筋と、口角を下げる口角下制筋の両方に働きかけるマッサージです。
唇で「オ」のフォームを作った状態で、口角から耳のラインに向かって口角を引っ張り上げると、ほうれい線の改善に役立ちます。
このマッサージはほうれい線に限らず、顔のシワやたるみにも有効なマッサージとして知られています。
こちらも忙しい朝でも簡単にできるものなのでぜひ実践してみましょう。
- 両手の手のひらを口角の下側辺りに当てがいます。
- 唇はすぼめた状態で「オ」のフォームを作りましょう。
- 手のひらを顎下(口角)から耳下の方向へと引っ張りあげるようにして、ほうれい線をしっかりと伸ばしましょう。
- 伸ばした状態で手のひらを10秒間キープします。
- これを3回ほど繰り返しましょう。
ポイント
顎を少し上げた状態をキープしてから、手のひらで頬にちょうど良い圧をかけて引っ張りあげると、垂れ下がった脂肪などをすっきりと引き上げることができます。
ほうれい線などの口元のたるみは、10歳くらい老けた印象を与えてしまいがち。
さらに不愛想な印象さえも与えやすいので人間関係に与える影響は大きいといえるでしょう。
口角を引き上げるマッサージを定期的に行うことで、ほうれい線が改善されるだけでなく、口角も上向きにピンと張って、好感度もアップするはず。
おすすめマッサージ③咀嚼筋(咬筋)をしっかりとほぐす
咀嚼筋とは、ものを食べるときに使う筋肉のことです。
この咀嚼筋をしっかりとほぐすことで顔のゆがみが取れて、口角がすっきりと上にあがります。これによってほうれい線改善にも大きな影響を及ぼすのでぜひ実践してみましょう。
- ほお骨の下に親指の腹を当てた状態にしたら、口を上下に数回ほど開け閉めしてみます。
- 口を開け閉めしたときに、動く筋肉が咀嚼筋(咬筋)です。そこに親指の腹をしっかりと当てて徐々に圧をかけていきます。
- 10秒ほど圧をかけたら、ほお骨からあご下まで親指の腹をずらしながら指圧していきます。
- この作業を左右のほお骨で行いましょう。
ポイント
硬いものを食べるたびにあごの関節には大きな負荷がかかります。
また、睡眠中にも無意識の状態であごの関節や咀嚼筋(咬筋)に負荷をかけているようです。そのため、咀嚼筋(咬筋)が緊張状態に陥り、顔をゆがめたり、口角が下がる原因にもなるそうです。
咀嚼筋(咬筋)を定期的にほぐすことで、すっきりとした口角をキープすることができ、ほうれい線の改善へと繋がります。
~美肌後記~
今回は「ほうれい線を改善する有効なマッサージ」についてご紹介しました。
ほうれい線に効果的なマッサージについては、やや珍しいものもあったと思います。
日頃から顎や咀嚼筋などに負担をかけている事実をきちんと受け止め、定期的なマッサージによって、ほうれい線を改善するように努力してみてください。