美肌に欠かせないのが「美腸」をキープすることです。
春の季節の変わり目や真夏の紫外線、冬の外気の寒さなどは、お肌に常にストレスを与え続けている状態。
そんなとき、弾力やハリのある素肌を取り戻すために必要となってくるのが腸のケアです。
腸は、肌の栄養素を吸収するために欠かせない臓器。
しっかりと肌の栄養素を吸収するためにも日々、美腸を目指す必要性があります。
今回は美肌と腸の関係性やメカニズム、美肌&美腸の作り方についてご紹介してまいります。
目次
肌と腸には、じつは共通点があった?!
肌と腸にはどちらも免疫系細胞が存在し、細菌が住みつくといった共通点があります。そういう観点から、肌と腸には共通点があるということがおわかりでしょう。
とくに腸と肌が類似している例に、「かゆみ」が挙げられます。
かゆみが起こるときは、基本的に肌が悪い状態であり、それを取り除こうと意図的に起こるのが肌の「かゆみ」。
実は、肌のかゆみ同様に、腸にもかゆみが起こるのだそう。
腸は肌のように外部にさらされているわけではありませんが、口から肛門まではつながっているため、一つの管のようになっているといえます。
その管は、外部に接しているとのことなので、腸も肌と同じように「かゆみ」の症状が表れるということです。
3つの腸内細菌って?
肌の栄養素の消化吸収をうながし、有害な毒素を排出する腸の中には、約100兆個(種類は100~500種類)の腸内細菌が存在するといわれています。
こういった腸内細菌は、「腸内フローラ」と呼ばれています、人それぞれの生活習慣や年齢、ストレスなどにより菌の数などは異なり、変化するといわれています。ちなみに腸内細菌は大きく3種類です。
【善玉菌】について
善玉菌とは「乳酸菌」や「ビフィズス菌」のことです。
善玉菌の働きは、悪玉菌が増えることを抑制し、ビタミンの合成、消化のサポートすること。善玉菌は、美肌には欠かせない菌であることを覚えておきましょう。
【悪玉菌】について
悪玉菌は、一言でいうと肌荒れの原因ともなる菌のことです。
腸内を腐らせたり、毒素や細菌を発生させて、発がん物質をつくるなどのトラブルにもなる悪い菌といえます。
【日和見菌(ひよりみきん)】
日和見菌は、知る人ぞ知る菌かもしれませんね。
健康なときはあまり活動が見られませんが、体の免疫力が落ちてくると悪玉菌と似た働きをするといわれています。
美腸には、菌のバランスが命!
腸内の善玉菌が増えれば悪玉菌が減るように、腸内の菌の数は常に一定数存在する仕組みになっています。
健康的な人の場合、腸内は善玉菌が悪玉菌よりも優位な状態ですが、ストレスや不規則な生活によって悪玉菌が増殖すると、たちまち腸内環境は悪化することに……。
悪玉菌が増える理由については、加齢やストレス、便秘や不規則な生活などが挙げられます。中でも大事になってくるのが食事です。
とくに気をつけてほしいのがインスタント食品やお菓子などを大量に摂取すること。
こういった脂質の多い食べ物は十分に腸内で消化されないため、悪玉菌の増殖を増やす結果にもなります。
ちなみに悪玉菌は、脂質やタンパク質が大好物だといわれています。
悪玉菌を増やさないためには、野菜や海藻類、豆類などをバランスよく摂取すること。乱れた食生活は悪玉菌の増殖にも繋がるため、日頃から栄養バランスの摂れた食事をするようにしましょう。
腸内環境と肌トラブルの関係性って?!
腸内に悪玉菌が増えて腸内環境が悪化すると、便秘や肌荒れなどの症状が出ます。
便秘になると、腐敗物や毒素ともいわれるフェノール類やパラクレゾールなどが腸内に蓄積されがち。
それらの腐敗物は、血中にも吸収されるので、それが全身に行き届くとシミやシワ、たるみやくすみ、といった大人の肌トラブルの原因にも繋がります。
肌トラブルを起こさないためには、便秘にならないように栄養バランスを考えたヘルシーな食事を日課にすること。
便秘は大人のニキビや吹き出物などの肌トラブルに限らず、乾燥やシワ、たるみなども引き起こすことが調査などでもわかっているそうです。
なお、エアコンや暖房などを使うと、空気中はかなり乾燥した状態になりますよね。
とくに夏場のエアコンは、お腹を冷やしやり、下痢などを引き起こす要因にもなります。
このときの腸内環境は決して良い状態とはいえません。
腸に限らず、全身が冷えると肌の免疫力などが落ちて肌トラブルを引き起こすので、くれぐれも「冷え」には要注意!
なお、空気が乾燥してお肌が乾燥すると、肌バリア機能はどんどん低下していき、肌の老化も加速します。
喉なども傷める原因になるので、美肌をキープするためには加湿器などを利用するようにしましょう。
美肌を作る「幸せホルモン」の9割が腸に存在するって本当?!
あなたは「幸せホルモン」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか?
最近は脳科学などで幸せホルモンだとか愛情ホルモンなどの脳内物質が注目を浴びていますよね。
幸せホルモンとは、幸せを感じた時やうれしいときに脳内で分泌される脳内物質のこと。驚くことにその幸せホルモンの9割が腸に存在するというのです。
この事実に驚かされた人は多いのではないでしょうか。
脳内物質である「セロトニン」や「オキシトシン」などの幸せホルモンの9割が腸に存在するわけですから、脳と腸はとても密接な関係にあるといえるでしょう。
便秘になると、肌に大きな影響を与えると前述しました。
便秘になると腸内では腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)がうまくいかなくなります。
蠕動運動とは、腸が消化した食べ物を伸び縮みさせて体外へと排出させるといった作業です。この速さについては、だいたい1秒間に1㎝程度と言われています。
蠕動運動がきちんとおこなわれることで、便通がスムーズに働く仕組みになっています。
蠕動運動がきちんとおこなわれなければ、便秘や下痢が生じて免疫力が低下したり、肌荒れが起こるというメカニズムです。
普段から、食べ物や生活習慣などに気を使い、腸内フローラのバランスを正常に保つことで、便秘だけでなく肌荒れ対策にもなります。そういう意味でも、常に腸内フローラのバランスを保つ必要性がありますよね。
「蠕動運動」をコントロールするのは「自律神経」?!
腸は、「平滑筋」という筋肉によって動かされます。
平滑筋の最大の特徴は、自分の意志では動かせない筋肉だということ。
ちなみに、腸が消化した食べ物を体外へと移動させて排出させる「蠕動運動」についても自分の意志ではおこなわれません。
では一体、何が蠕動運動をコントロールしていると思いますか?
蠕動運動をコントロールするのは「自律神経」です。
中でもリラックス効果を生み出し、肌荒れなどの回復を促す副交感神経には、腸の働きを活発にする働きがあります。
ストレスなどによって緊張状態がつづくと、交感神経が優位になって副交感神経の働きが弱まります。
すると、腸内フローラのバランスが崩れて、シミやシワ、たるみやくすみ、肌荒れなどのトラブルを起こしやすくなります。
美肌&美腸を作るための4つの生活習慣!
①食事はリラックスして食べましょう
食事を食べるときに、時間を気にしてがつがつ食べていませんか?
それだと交感神経が優位になって、副交感神経の働きが鈍くなります。
副交感神経の働きを活発化させ、腸での蠕動運動を活発化させるためには、日頃から食事をゆっくりと食べることが基本。
ゆっくり食べることで副交感神経が優位に働き、蠕動運動もスムーズに行われるため、美腸をキープすることができます。
②睡眠時間をしっかりとりましょう
美腸をキープするためには、自律神経のバランスが大事だということは前述しました。
自律神経のバランスを整えるためには、「交感神経」と「副交感神経」をバランスよく働かせることがカギです。
ちなみに、自律神経のバランスを整えるためには、規則正しい生活はもちろん、睡眠時間をしっかりととることが大切。
また、眠れないからと焦ってしまうと余計にストレスが溜まり、眠りを妨げてしまう可能性があります。
すぐに眠れなくても焦らないことが大事です。
どうしても眠れないときは、一度布団から出て本を読んだり、眠気を促すホットミルクなどを飲んでリラックスするようにしましょう。
③腸のストレッチ運動を試みましょう
腸のストレッチ運動については、質の高い睡眠の確保にも繋がります。
それに、美腸を作るためには、蠕動運動をスムーズにおこなうことが必須。
眠る前に以下のストレッチ運動を定期的におこなうと、大腸周辺の筋力が活発化し、睡眠効果もアップします。
体ひねり運動
- ステップ1:椅子に座った状態で体を左にひねります。
- ステップ2:5秒間キープしたら、同じように右にひねります。
- ステップ3:これを数回ほど繰り返します。
左右に体をひねってゆっくりと静止すると、肩こりなどが解消されて全身の血流がよくなり、副交感神経の働きが優位になります。こういった体をひねる運動は、腸の働きを活発化させて、蠕動運動をうながしてくれます。
腸伸ばし運動
- ステップ1:うつ伏せの状態になります。
- ステップ2:両手で、背中あたりを支えて状態を上に起こしましょう。
- ステップ3:状態を起こしたまま、30秒間キープします。
- ステップ4:そのまま、ゆっくりと深呼吸をしましょう。
深呼吸するときは、息を吸うよりも吐くときの時間を長めにとるようにしましょう。ゆっくりと深呼吸することで副交感神経が優位に働くため、蠕動運動にも大いに役立ちます。
④腸内環境を整える食事をしましょう
腸内環境を整えて、蠕動運動を活発にするためには、意識して水分や野菜などの食物繊維を積極的に摂取することがおすすめ。
ときに、幸せホルモンともいわれる「セロトニン」に有効な食事を摂るとよいでしょう。
ちなみに、セロトニンを促す食べ物には、必須アミノ酸であるトリプトファンという成分が含まれています。
トリプトファンが多く含まれている食材は、赤身肉や青魚、納豆や大豆などの大豆食品、卵や乳製品、ごまやバナナ、くるみなどです。
タンパク質には動物性と植物性がありますが、肉などの動物性タンパク質からトリプトファンを摂取する際には、穀物類といっしょに摂ると消化吸収が良いといわれています。
最近は、腸内環境を整えてくれるビフィズス菌が入った「ラブレ」などの飲み物なども口コミで大人気ですよね。
ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が含まれる発酵食品を定期的に食べることで、腸内の善玉菌に喜ばれる食物繊維を摂取することが可能になります。
発酵食品やトリプトファンなどが含まれる食品をバランスよく摂取し、腸内からの健康を目指していきたいものですね。
美腸に最適な簡単レシピについて
今回は、食物繊維たっぷりのキノコを使って簡単に作れる!腸にやさしい簡単サラダのレシピをご紹介しましょう。
レシピ
【材料(2人分)】
- ぶなじめじ50g
- エリンギ50g
- さつまいも150g
- アボカド1/2
【ドレッシング】マヨネーズ大さじ2、味噌小さじ1、レモン汁大さじ1/2、砂糖小さじ1/2、塩少々、コショウ少々、醤油少々、オリーブオイル少々
【作り方】
- ぶなじめじの石づきはキレイにカットし、4つ切り(縦)にカットしたエリンギと一緒に約2cmの長さに切って、数分ほどサッと茹でて水けを切りましょう。
- さつまいもは皮を剥いた状態で1~2cm角にカットし、柔らかくなるまでさっと電子レンジにかけます。(2、3分ほど)アボカドは種を取ってから2cm角にカットします。
- 上記の材料と、ドレッシングを混ぜ合わせたものをしっかりと合えます。
お好みに応じて塩や醤油、レモン汁などを足しましょう。10分程度でできる時短レシピなので、毎日のお弁当のおかずにも便利です。
~美肌後記~
今回は、「美肌のカギは「腸」にあり!美腸を作るための4つの生活習慣と効果的な時短レシピ!」についてご紹介しました。
美肌作りのカギは、腸の蠕動運動を活発化させること、ストレスを溜めない生活を心がけること、そして副交感神経を優位に働かせることだということがおわかりいただけたと思います。
美腸にいい話題の時短レシピにもぜひ、トライしてみてくださいね!