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免疫力アップで肌と体の調子を整える
発酵食品・保存食が美肌を作る? 免疫力アップで肌と体の調子を整える発酵食品の効果とおいしい食べ方
発酵食品・保存食というと、何を思い浮かべるでしょうか?味噌・納豆・ヨーグルトやチーズなどがぱっと頭に浮かぶ人も多いと思います。
実はこの発酵食品を、毎日の食卓にしっかりと取り入れることで、腸の活動が活発化し、美肌や体の健康にもつながります。今回は、発酵食品の基礎知識や種類と効果、おいしい食べ方などをご紹介してまいります。体の内から美肌を目指す方はぜひ参考にしてみてください!
発酵食品・保存食が体に与える影響って?!
発酵食品とは、先人の知恵によって生まれた保存食のことです。昔は現代みたいに病院に簡単に通うことができなかったので、人々は家庭で作る食材を上手に工夫し、体に少しでも良いものを試行錯誤しながらも作り出してきたといえます。
発酵食品や保存食の代表でもあるのがキムチ、ぬか漬け、ヨーグルト、梅干しなどです。これらは簡単にお家で作ることができます。
最近はとくに発酵食品に含まれる乳酸菌や麹菌の体に与えるメリットなどが話題になっていますよね。キムチやぬか漬け、ヨーグルトに含まれている乳酸菌は、免疫力アップにもつながり、肌の新陳代謝(ターンオーバー)の活発化、腸活を促進、自律神経を整えるなどの働きがあります。
最近は、K-popなどが若い世代を中心に話題になっていますが、「韓国人たちの肌が美しいのは、キムチを主食に毎日食べているから」ともいわれています。
発酵食品や保存食を食べるメリットとは?!
発酵食品や保存食(乳酸菌・麹菌・納豆菌や酵母菌) を毎日の食事にバランスよく取り入れることで、以下のメリットがあります。
メリット①腸活を促し美肌や便秘解消につながる!
発酵食品や保存食に含まれる乳酸菌や麹菌などは、腸を整えるには欠かすことのできないもの。お腹の中で善玉菌を増やしてくれます。
善玉菌とは「乳酸菌」や「ビフィズス菌」のことです。善玉菌の働きは、悪玉菌が増えることを抑制して、ビタミンの合成や食べ物の消化のサポートをおこないます。上記のことからも善玉菌は、美肌には欠かせない菌であることがおわかりいただけると思います。
善玉菌が増えることで、腸内環境が整い肌の代謝がアップして、美肌を作るカギにもなります。それに腸内の働きが活発化すれば体の免疫力はアップし、便秘解消にもつながります。
美肌と腸の関係性については、肌と腸にはどちらも免疫系細胞が存在していて、細菌が存在するということ。つまりは肌と腸には共通点があるので、肌がかゆみを覚えるときは、じつは腸もかゆみを起こしているといえます。
肌が荒れれば腸も荒れるので、腸内環境を整えることにより、美肌にもつながるということがご理解できるのではないでしょうか。
メリット②食べ物の美味しさや栄養分がアップする
食材を発酵・保存することで、本来の食材の味にコクや風味が出て、食材本来のうまみがアップすることがあります。
その理由は、食品を発酵する際に乳酸菌・麹菌・酵母菌などの微生物を上手に取り入れることで、食材の中に含まれる糖やたんぱく質などが微生物により分解され、コクと旨味を引き出すというメリットがあるからです。
それに微生物の働きにより、美肌と健康には欠かせない酵素が体内で生成されるので、もともと食材にはなかった栄養分もアップさせることができます。
メリット③食材の保存力が高まる
食材を発酵・保存することで、食材を長期に保存ができるのも大きなメリットの一つ。発酵するときに生まれる微生物が、細菌の繁殖を防ぐなどの効果があるからです。
発酵食品の種類にもよりますが、手作りの食材であればだいたい一週間~10日の保存が可能です。それ以上の保存を目指すようであれば、冷凍させるなどの方法もあります。
美肌や免疫力アップに欠かせない発酵・保存食品って?!
今から美肌や免疫力アップなどの、健康面に欠かせない保存食品とその基礎知識、おいしい食べ方などについていくつかご紹介します。これらの食材はスーパーなどで簡単に購入できて、毎日の気軽に取り入れられるものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
■日本の代表的発酵食品のぬか漬け
和食の発酵食品の代表ともいえばぬか漬けですよね。ぬか漬けには多くの乳酸菌が含まれていて、その乳酸菌は新鮮な状態で腸に届きやすいのが特徴。
できればぬか漬けなどの乳酸菌を毎日適度に摂ることで、腸内の善玉菌が増えて美肌につながる免疫力アップにもつながります。そもそも腸の中には、人の7割以上の免疫細胞が集中しているとのこと。
ぬか漬けなどの発酵食品は免疫細胞を活発化させる力があり、上手に取り入れることで美肌だけでなく、風邪予防や花粉症対策にも役立つといわれています。
【ぬか漬けに関するQ&A】
保存方法や消費期限は?
手作りでぬか漬けを作る場合は、ぬか床は常温に置いて毎日一度はかき混ぜることをおすすめします。夏場は気温が一気に上がるため、発酵の過剰促進を防ぐためにも冷蔵庫で保存するようにしましょう。
ちなみに手作りのぬか漬けを冷蔵庫で保存した後は、2日程度で食べるのがよいそうです。
お店で購入したぬか漬けについては、記載されている消費期限を守るようにしてください。体への影響や美味しさなどを考えると、開封後は消費期限よりも早めに食べることをおすすめします。
ぬか漬けのおいしい食べ方は?
ぬか漬けは料理のアレンジ次第では、和食とも洋食とも相性が良い食べ物です。例えば家族みんなでパーティーを開きたい場合は、クラッカーなどの上に、クリームチームやオリーブオイル、コショウ少々とシーチキンなどを混ぜたぬか漬けをのせて、オードブル感覚で召し上げるのもおすすめ。
和食スタイルでぬか漬けの味を堪能したい場合は、ご飯にぬか漬けと鰹節、のりや納豆などを見栄えよくのせて、その上に卵黄をかけて溶かしながら食べると美味しいです。
この一品はダイエット中の方やお酒のシメなどにも、おすすめのレシピといえるでしょう。
■美肌の国でも愛される白菜キムチ
キムチは韓国の代表的な発酵食品です。キムチには植物性乳酸菌がたくさん含まれているので、腸内の乳酸菌を増やすためには欠かせない食材です。
キムチ作りの原料ともなる白菜は、腸をクリーンな状態にする働きがあるため、便秘解消にも良い野菜として知られています。
腸の調子が良くなることで肌本来の免疫機能もアップし、美肌をはじめ様々な健康増進が期待できます。キムチに含まれているカプサイシンという唐辛子の成分は、体の新陳代謝や血流を促進させて体を温めるなどの効果があるので、適量食べるにはおすすめです。
しかし食べ過ぎてしまうと、逆に胃などの粘膜を傷つける可能性もあるので、摂りすぎには要注意。摂取量としては、1日50gを目安としましょう。
【白菜キムチに関するQ&A】
保存方法や消費期限は?
キムチの保存方法としては10度以下の冷蔵庫保存がおすすめです。保存する場所の温度が高いと、キムチの酸味が促進して味が酸っぱくなってしまいます。
手作りキムチについては冷蔵庫での保存でも発酵はどんどん進むので、二週間を目安に食べ終わるようにしましょう。
白菜キムチのおいしい食べ方は?
白菜キムチはそのまま温かいご飯にのせて、ごま油を少々垂らして食べるのも美味しいです。また焼き肉や炒め物と一緒に食べても、消化促進につながりとてもおすすめです。
キムチが発酵によって酸っぱくなってしまった場合は、ラーメンや鍋などに入れるなどの工夫をすると、キムチの味の旨味を落とすことなく召し上がることができます。
キムチにはどんな種類があるの?
キムチと聞くとざく切りにされた白菜と、真っ赤な韓国産の唐辛子を利用したキムチが思い浮かぶかもしれません。しかし実はキムチにもいろいろな種類があります。
肌のむくみ解消や腸内環境にも効果的だと人気のオイキムチは、キュウリにキムチの薬味などを漬け込んだもの。キュウリにはカリウムといった体内の余分な水分を、外へと排出する成分が含まれているので顔のむくみを改善するのも最適です。
ほかにも、大根やたらこをキムチにしたカクテキには、たんぱく質・でんぷんや脂質を分解する酵素などが含まれているため、乳酸菌による腸内環境アップのメリットだけでなく、腸の消化を良くするなどの効果も期待できます。
カクテキは胃腸の消化を促進させる効果もあるため、お酒のつまみにも最適です。
美肌や美腸には欠かせないキムチですが、中には「辛いのが苦手だから食べられない!」なんて人も少なくはありません。そんな方には水キムチをおすすめします。
水キムチは辛くないキムチのこと。水キムチの汁にはたくさんの乳酸菌が含まれています。水キムチの材料は、大根・白菜・にんじんやリンゴなどが使用されるようですが、水キムチとして使用される野菜そのものよりも、その汁にたくさんの乳酸菌が含まれているといわれています。
乳酸菌の量については白菜キムチの約2倍、ぬか漬けの10倍ともいわれているそうです。それだけの乳酸菌が含まれているわけですから、腸内環境ももちろんアップし免疫力向上にもつながります。その結果、美肌効果も大いに期待できるというわけです。
■江戸時代から愛されていた塩麹
塩麹とは米麹に水と塩を加えて発酵させたもの。江戸時代からの伝統的な調理方法ともいえます。塩麹に含まれる麹菌には、美肌に欠かせない要素でもあるビタミンB群を生成する働きがあるので、美肌を促進する効果があります。
それに塩麹には「食べ物酵素」がたくさん含まれているため、食べ物の栄養成分を分解し消化吸収を促進させ、腸内環境をサポートする働きがあります。それによって美肌に限らず便秘予防にも役立つわけです
【塩麹に関するQ&A】
保存方法や消費期限は?
手作りの塩麹の場合は、冷凍保存であれば半年を目安に食べることをおすすめします。スーパーなどで販売されている市販のものに関しては、パッケージに記載される消費期限を守りましょう。麹菌の影響で長期の保存ができるのが嬉しいポイントですよね。
塩麹のおいしい食べ方は?
塩麹については乾燥タイプの麹と塩、熱湯のみで簡単に作ることができます。市販のものでも良いのですが、この機会に自分で作ってみるのもよいでしょう。
塩麹については塩の代わりに使用するのが基本です。料理においては「味に塩あり」といわれるほど、塩は私たちの生活において欠かせない調味料の一つ。
炒め物・煮物、鍋との相性も抜群です。塩麹には植物酵素が含まれているため、食材をやわらかくする効果もあります。分厚い肉などを塩麹につけると、たんぱく質が分解されて肉が柔らかくなり旨味が増すなどのメリットもあります。
塩麹をおいしく作る方法って?
前述の通り塩麹は簡単に作れるのが特徴です。まずは材料として以下のものを用意しましょう。
・乾燥タイプの麹→(約200g)
・お湯(熱湯)→(約300ml)
・塩→(約50~60g)減塩を考えている方は50gをおすすめします。
~作り方~
- 乾燥タイプの麹は、袋の中で十分にもみほぐします。袋の中で細かく揉みほぐすことで、麹が飛び散るのを防止できます。
- 熱湯の中に塩を入れます。十分に塩を溶かしたら、ぬるま湯程度の温度(60度程度)になるまでそのまま冷やします。
- 100均などで売られているプラスチック型の保存容器に麹を入れて、先ほどのお湯(塩入り)を注ぎます。
- スプーンなどで塩麹をしっかりとかき混ぜたら、常温で冷やします。冷えた後は蓋をして常温で保存(※夏場は冷蔵庫で保存)。その後1日に1回ほどかき混ぜるなどして、空気に触れさせるようにしてください。
- 全体に麹の粒がつぶれて、とろみが出てきたら完成です。この状態になったら冷蔵庫に保存します。熟成により少しずつ甘い香りが出てきます。
参考資料:2017年3月20日発行/体の中からきれいになれる保存食と発酵食/主婦の友社
/発行者:荻野善之
~美肌後記~
今回は「発酵食品・保存食が美肌を作る? 免疫力アップで肌と体の調子を整える発酵食品の効果とおいしい食べ方」についてご紹介しました。
これまで発酵食品や保存食に興味がなかった人でも、これを機に美肌や健康のためにも毎日適量を摂取してみてはいかがでしょうか。