私たちのお肌は、加齢により肌の弾力やハリを助けるコラーゲンやエラスチンが減少することでシワやシミ、たるみなどの症状が進行します。
残念なことに、50代にもなるとコラーゲンの再生はほとんどなくなるともいわれています。
加齢にかぎらず、コラーゲンの量は、日常の紫外線によるダメージや正しいスキンケアができていないなどの理由により、減少したり変性したりします。
深く刻まれたシワやひどいたるみを毎日のスキンケアだけで改善しようとするには限界があることは事実です。
今回は、美容皮膚科で行われるそれぞれの肌トラブルの改善方や治療法などをご紹介します。
目次
まずは復習! シミやシワ、たるみの原因って?
シミやシワ、たるみの原因には以下が挙げられます。
紫外線のダメージを受けている
紫外線を浴び続けると、それが蓄積されてシミやシワ、乾燥やたるみなどを引き起こす原因になります。
毎日日焼け止めを塗り、UVケアを欠かさずに行わないと、乾燥はますますひどくなります。
そのうち肌が硬くなってシミやシワ、たるみなどの症状があらわれます。
紫外線のダメージによってメラニンを抑制する力も弱まるため、肌の細胞はどんどん劣化し、肌トラブルを引き起こす原因にもなります。
春から夏にかけては、紫外線量が高くなる季節です。
そのため、強めの日焼け止めを塗る必要がありますが、単に日焼け止めを塗ればよいわけでもありません。
日焼け止めを塗るときの大事なポイントは塗る量です。
ほとんどの女性が日焼け止めを塗るときに、正しい量の半分も塗っていないのが現状のようです。
顔全体だけでなく、小鼻や首など塗り忘れの多い個所までしっかりとケアするようにしましょう。
ストレスによる活性酸素の増加
人がストレスを感じると肌の細胞は低下し、シミやシワ、たるみの原因となる活性酸素を撃退するための酵素の働きが弱まります。
つまりは、ストレスが増えるにつれて、体内の活性酸素も増えていきます。
活性酸素が増えるとシミやシワ、たるみやそばかすなどの肌トラブルだけでなく、動脈硬化やメタボなどの原因にもつながるので要注意。
活性酸素が増えることでシミやシワ、たるみが目立つようになると、ぐっと老けた印象になりがち。
ストレスを過剰にため込むことで肌トラブルも増えるので、日頃から散歩や軽いストレッチなどで上手にストレス解消をし、活性酸素を増加させないことがポイントです。
毛細血管の劣化と肌のターンオーバーの乱れ
毛細血管は、加齢に伴い劣化していくのをご存知ですか?
毛細血管が劣化すると、肌に必要な栄養分や酸素を届けることができなくなるので、肌の新陳代謝(ターンオーバー)も不規則になり、シミやシワ、そばかすやたるみ、大人ニキビなどの肌荒れを引き起こす原因になります。
毛細血管を若々しく保ち、肌のターンオーバーを正常にするためには、規則正しい生活習慣やバランスンのとれた食生活などがカギとなります。
・肌のハリや弾力の低下(コラーゲンとエラスチンの減少)
肌のハリや弾力に必要なコラーゲンやエラスチンの量が減少すれば、肌全体の弾力やハリが失われ、新陳代謝が落ちて皮下脂肪が増えます。
顔に脂肪が増えると重力の仕組みにより肌全体が下がってしまうので顔にたるみが生じます。
肌をたるませないためには、日頃からリンパマッサージをして老廃物を排出し、クリアな肌をキープする努力が必要です。
シミやシワ、たるみを解決するコラーゲンとエラスチン
「コラーゲン」は、タンパク質の一種です。肌の関節や体、肌や骨、血管など全身に含まれています。
コラーゲンの主な働きは、肌の弾力やハリを出すこと。
コラーゲンは、体内の水分や潤いをキープする働きがあるため、肌には欠かせない成分ともいえるでしょう。
コラーゲンは、基礎化粧品だけでなく食べ物にも含まれています。
コラーゲンは加齢に伴い少しずつ減少するので、コラーゲンが不足すると肌の弾力が失われて肌全体が乾燥し、シミやシワ、たるみの原因にもなります。
一方、「エラスチン」は、コラーゲンと同等の成分や肌の弾力を出す重要な成分です。
いわゆる800以上ものアミノ酸(バリン、グリシン、ロイシンなど)から作られる不溶性のタンパク質のことで、エラスチンに含まれるアミノ酸が肌に潤いを与え、弾力やハリをアップさせるなどの効果があります。
コラーゲン・エラスチンを増やすためのケアって?
コラーゲンやエラスチンは、加齢とともに減少します。
それに、エラスチンは一度壊れると、再生が難しいともいわれています。
コラーゲンやエラスチンを増やすためには、毎日の生活習慣がとても大事です。
紫外線ケアを念入りにおこなう
紫外線は天候にかかわらず、オールシーズン肌に降り注ぐものですよね。
部屋の中にいるときやちょっと近場に出かけるときでも、きちんとUVケアをおこなわないと乾燥によってシミやシワ、そばかすなどの症状があらわれてきます。
かりに休日で化粧をしない日であっても、せめて日焼け止めは塗るなどして、しっかりと紫外線ケアを行うことが重要です。
正しいスキンケアをおこなう
コラーゲンやエラスチンを毎日のスキンケアによって増やすためには、コラーゲンやビタミンC、コエンザイムQ10などがたっぷりと配合された基礎化粧品を選ぶのがポイント。
化粧水や保湿美容液、クリームなどを使うときは、使い過ぎもよくないので、顔がしっとりする程度の適量を塗るように心がけてください。
たくさんつければコラーゲンやエラスチンが増えるわけでもありません。
スキンケアする際は、顔を擦りすぎて摩擦を与えてしまうと、逆に肌を傷つける原因にもなります。
肌に刺激や摩擦を与えるとシミやシワ、そばかすやたるみの原因にもなるので注意しましょう。
コラーゲンやエラスチンが増える食事をとる
お肌のハリや弾力を出してたるみ対策をするためには、栄養バランスの摂れた食事が重要です。
「コラーゲン」や「エラスチン」を増やすためには、カツオなどの青魚やスジ肉や軟骨、モツなどのホルモンがおすすめ。
とくにカツオには、肌の弾力やハリを出し、たるみを解消させる美容エキスがたっぷりと含まれているので定期的に食べるとよいでしょう。
美容医療で改善できる肌トラブルもある!
日々、ハリのある美肌でいるためには、毎日正しいスキンケアをおこない、肌トラブルの予防をおこなうことが重要です。
しかし、どんなにスキンケアを頑張っていても、ときに体調不良やストレス、食生活などが影響し、自分自身では解決できないほど肌の状態がひどくなってしまうケースもあるでしょう。
そんな時に参考にしたいのが美容皮膚科による治療知識です。
毎日のスキンケアではどうしても改善できないレベルのシミやシワ、たるみでも、「美容医療」によって改善するものがあります。
美容医療とは、医薬品や医療レーザーなどを医師が使うことで美肌や美しい容姿を作るという医療行為を意味します。
美容外科と美容皮膚科の違いって?
美容外科は、メスを使って整形などの手術や治療をおこなう行為のことです。
それに対して美容皮膚科とは、メスなどは基本的に使用せずにレーザーや注射、外用薬などを使うことでシミやシワ、たるみやそばかすを治療することを意味します。
上記にものはすべて医師免許を取得した医師がやることがエステとは異なる点といえるでしょう。
美容医療を受けるときのポイント
医師が施す美容医療により高い効果を期待できる美容医療。
しかし、クリニックや担当の医師、治療内容や費用についてはきちんとしたリサーチが必要です。
人によってはトラブルになることもあるので、美容医療を受ける際には、しっかりとカウンセリングを受け、自分なりに治療内容における基礎知識やリスクを把握しておく必要もあります。
美容治療は、一般的な病院の治療のように保険適用ができないケースがほとんどのため、高額になることは間違いなしです!
トラブルを起こさないためにも、金額についてはあらかじめ確認しておく必要があるでしょう。
シミ、ほくろの除去には医療レーザーがおすすめ
美容医療には、レーザー治療というものがあります。
主に知られているのがシミやホクロなどを取り除くものです。
レーザーを照射しても、気になる患部のみを照射してシミなどを取り除く仕組みです。
そのため、正常な皮膚が傷つくことはありません。
大きなシミにレーザーを照射したときは、パチンとした痛みが走るような衝撃を覚えます。
1~2週間後は、レーザーを照射した場所はやや黒くなる可能性があります。
しかし、その範囲はとても小さなものなので、化粧でも十分に隠せるレベルだといわれています。
シミ、しわ、ニキビにはケミカルピーリング
シミやシワ、ニキビやニキビ跡にはケミカルピーリングが最適です。
ケミカルピーリングとは、一種の酸であるピーリング剤を皮膚に塗ることで、古い角質をはがし、皮膚を生まれ変わらせるという治療法です。
ケミカルピーリングをおこなうことで皮膚の新陳代謝(ターンオーバー)は活性化し、毛穴の開きを小さくしたり小じわを解消するなどの効果が期待できます。
さらに真皮にあるコラーゲンを増やす効果もあるので、ひどいシミにも効果的です。
古い角質をとることで毛穴は詰まりづらくなり、大人ニキビが増えづらくなります。
コスメ売り場などでは市販のピーリングなども売られていますが、即効性を求めるのであれば、美容皮膚科などでピーリングを受けることをおすすめします。
ほうれい線やたるみを解消するコラーゲン注射とヒアロルン酸の注入
深く刻まれたほうれい線やシワにはコラーゲンやヒアロルン酸を注入するのがおすすめ。
これにより、注入箇所がふっくらとして、ほうれい線やシワが目立たなくなります。
肌全体に弾力が出ると、自然と頬がキュッとあがるので、たるみも改善することができます。
しかし、美容皮膚科でコラーゲンを注射する場合、中にはアレルギー反応を起こす人もいるため、初めて注射する人は先にアレルギー検査をすることをおすすめします。
ヒアロルン酸についてはアレルギーの心配がないので、気軽に注入することができるでしょう。
ちなみにそれぞれの値段についてはコラーゲン注射が5万程度、ヒアロルン酸注射は最大で10万円ほどするそうです。
コラーゲンもヒアロルン酸も一度注射したからといって永遠に効果が持続するわけではありません。
どちらも効果を感じられるのは長くても半年程度だそうです。
費用効果をよく考えながら決定する必要がありそうですね。
ちなみに、目の下のちりめんジワにコラーゲンやヒアロルン酸を注入したがる人は多いようですが、どちらの注射もちりめんジワには注入することができないとのことです。
注射なしで目の下のシワを解消するならレチノイン酸がおすすめ!
レチノイン酸とは、医薬部外品の化粧品などに配合されている成分のことです。
これを摂取することで、肌の新陳代謝が活発化し、小ジワやくまなどを薄くする効果があります。
それに、この成分にはコラーゲンを増加させる効果もあるので、肌の若々しさを維持することができます。
レチノイン酸は作用が強いため医薬部外品扱いで、美容皮膚科などでも処方してもらえます。
目の下はとてもデリケートなので、注射よりもレチノイン酸などの成分を塗る方が肌にダメージを与えることなく、シワなどを解消できるのでおすすめ。
使い続けることで、コラーゲンが増えて、肌に弾力やハリが出て、たるみも改善されるようになるでしょう。
商品の目安としては2000円から5000円の商品を3ヵ月程度使い続けること。
これによって目元のシワなどの改善されてゆくのを実感できるようになるそうです。
~美肌後記~
今回は「美容皮膚科でシミやたるみは改善できるの?
美容皮膚科でおこなわれるシワやシミ、たるみ改善の治療法」についてご紹介しました。
美容皮膚科ではほかにもシミやシワに有効なビタミンCのイオン導入や眉間や額のシワを改善するボツリヌス注射などもあります。
「シミシワ、たるみが気になるけど、レーザーは怖い!」そんな人は、最初は通販などでも売られている医薬部外品から試してみるとよいでしょう。
医薬部外品の美容液などには、シミや美白に有効なビタミンC誘導体や、目元の細かいちりめんジワに有効なレチノイン酸などが含まれている商品もあります。
自身の肌の悩みと向き合い、知識を持ったうえで、自分に合った商品を見極めてください。