お風呂は単に日々の体やメイクの汚れを落とし、リラックスするだけのものではありません。
湯船につかって体を温めたり、ストレッチやマッサージをするだけでも美肌効果はアップします。
とくに血行が滞りがちな冬場は、湯船でしっかりと体を温めて血流を良くする必要があります。
夏場はシャワーだけで済ませてしまう人も多いようですが、夏場であっても湯船につかり、体の冷えを解消したり、血流の流れをよくするなどの工夫が必要です。
今回は美肌や美ボディーには欠かせない、バスタイムの過ごし方とそのポイントについて説明していきます。
目次
バスタイムが美肌を作る?
お気に入りの入浴剤などを入れて湯船に浸かると、とても気持ちがよくてリフレッシュしますよね。
一日のストレスを解消することができれば自律神経も整い、お肌の調子もよくなります。
体の冷えはお肌の大敵でもあるので、湯船にしっかりとつかって体を温めて血行促進につなげたり、お風呂で汗をかくことで老廃物を体外へと排出し、肌の角質は柔らかくなります。
湯船につかっている時間は、マッサージによって顔のたるみを解消したり、顔パックをすることで毛穴詰まりを解消することもできます。
そういう意味でもバスタイムは、美肌を作るための時間ともいえるでしょう。
美ボディーを作るためのポイント
洗顔するときは、肌にやさしい洗顔料を使うことを意識する人も多いようですが、ボディーになるとあまり洗顔料について意識していない人が多いようです。
しかし、何も意識せずにボディーソープを使って体を洗っていると、キレイになるどころか肌を傷つけてしまう可能性さえあります。
今から美肌や美ボディーを作るための、いくつかのポイントをご紹介します。
ポイント①ボディーソープよりもシンプルな固形石鹸を使用しましょう
じつはボディーソープの使い過ぎが、肌を乾燥させてしまうことをご存知ですか?
ボディーソープはポンプ式で使いやすいのが特徴ですよね。
しかしここで気をつけたいのがその使用量です。
ポンプ式のボディーソープはとにかく使いやすく、一度にたくさんの量を使ってしまうケースがほとんどです。
泡立ちもよく、体の汚れを落とせているような錯覚さえしますが、じつは必要以上に液体を使いすぎているケースがほとんど。
固形石鹸については、一見泡立たせるのが面倒なイメージさえしますが、固形石鹸を使用している人とボディーソープを使用している人とでは、約20倍もの洗浄成分の差が出るともいわれています。
つまり、ボディーソープを使用している人は固形石鹸を使用している人よりも20倍もの刺激を与えているとも言い換えられますよね。
くれぐれも使いすぎには注意が必要です。
また、ボディーソープの中には、安価な商品もたくさん存在しますが、そういうものは肌へ強い刺激を与える成分でもある「界面活性剤」の使用量が多いものがほとんど。
それでもポンプ式のボディーソープが良い人は、その使用量に気をつけて使うようにしてみてください。
ポイント②肌は強くこすらず、手でやさしく洗いましょう。
ほとんどの人が体を洗う時に、タオルなどで体をゴシゴシとこすって洗いますよね。
しかし、ちょっとした埃や汗であれば、通常はぬるま湯でやさしく洗い落すだけで十分のようです。
体を力いっぱいにゴシゴシと洗い過ぎると、必要な皮脂まで奪ったり、肌への刺激を与えすぎて、肌を痛める原因にもなるからです。
とくに乾燥肌の人や敏感肌の人がボディーを洗うときは注意が必要です。
なるべく肌への刺激が弱い洗浄剤を選び、全身を手でやさしく洗うのがポイントです。
スポンジやナイロン製のタオルで体をゴシゴシと洗う人も多いと思いますが、それらの繊維は肌にダメージを与える場合もあるので、できれば手で洗うことをおすすめします。
なお、泡の洗い残しは肌トラブルの原因にもなるので、しっかりと泡は洗い落とすように意識してみてください。
ポイント③皮脂の多い場所や肌体質によって洗い方を工夫しましょう!
体を洗うときは、皮脂の多い場所や肌体質によって洗い方を工夫することが大事です。
あなたは、人の体でいちばん皮脂量が多い場所はどこだと思いますか?
いちばん汗をかきやすいのは頭、次に顔、胸や背中といわれています。
皮脂については汗とは違い、お湯だけでは落ちないので石鹸などで丁寧に洗う必要があります。
丁寧に洗うことは大事ですが、自分が乾燥肌なのかなど肌タイプによって適した洗い方は変わるので、くれぐれも洗いすぎには注意しましょう。
ちなみに全体的に皮脂量が多い人は、綿などのタオルに石鹸をつけた後、頭→背中→胸などの順番でやさしく洗っていきます。
脚や腕についてはもともと皮脂量が少ないため、手でやさしく洗ったり、1日おきに洗う程度で済ませましょう。
全体的に皮脂量が少ない人は、毎日石鹸を使うことは避けた方がよいかもしれません。
皮脂量の一番多い頭に関しては、毎日洗ってもよいですが、胸や背中については2日に一度くらいのペースが最適です。
足や腕などについては、2日に一度の頻度でも少なくはありません。基本的に皮脂量が少ない場所は、シンプルに手で汚れを洗い落すことを意識しましょう。
足を洗う時に注意したいのが、足の指の間までしっかりと洗うこと。足指にはアカがたまりやすく、そこは匂いやすい場所でもあります。
指の間や爪までしっかりと石鹸で洗うことで、足の雑菌による繁殖や匂いを抑えることができます。
自分の肌状態や季節の変わり目により、洗い方を工夫する必要があるかもしれませんね。
ポイント④入浴剤で癒しのバスタイムを過ごしましょう!
ただ湯船につかるよりも、お気に入りの入浴剤を入れて香りを楽しみながら、バスタイムを過ごすことをおすすめします。
入浴剤は温浴効果によって、体を温めるなどの効果があります。
最近は保湿成分や酵素など、美肌によい成分を配合した入浴剤などもたくさん売られていますよね。
ラベンダーやひのき、爽やかな森の香りなど気分に応じて入浴剤を使い分けてみましょう。
とくに冷え性の方には、ミネラルや炭酸ガスなどの成分を配合したものがおすすめ。温浴効果をアップさせて血行促進にもつながり、冷え性を改善することもできます。
血行促進によって汗をかくようになれば、その分体内の毒素もデトックスできるので、リフレッシュ効果と同時に美肌効果も期待できるでしょう。
ポイント⑤半身浴で体の芯まで温まりましょう!
女性には冷え性の人が多いのが特徴です。そのため半身浴はとくにおすすめ。
なぜ女性には冷え性が多いのかというと、女性にはもともとエネルギーを作り出すための筋肉量が少なく脂肪が多いため、体が冷えやすいというメカニズムになっています。
女性の体感温度は、男性よりも3度ほど低いともいわれているため、空調などにも影響を受けて体が冷えたり、それにより肩こりや血流が悪くなるなどの症状がみられます。
冷え性を解消させて血行促進につなげるためには、半身浴がおすすめ!
37℃~40℃くらいのぬるま湯に30分ほど半身浴をすれば、のぼせることもなく冷えを解消することができます。そして体のうちまでしっかりと温まることができます。
ぬるま湯のお湯は、副交感神経を優位にさせる働きがあるので、ストレス解消や精神的なリラックス効果も生まれるでしょう。
毎日ぬるま湯で半身浴を続けることで、冷えにくい体質へと変わり美肌や健康増進にもつながります。
ポイント⑥湯船につかっているときは、マッサージでリンパの流れを解消しましょう
せっかく湯船につかっているわけですから、同時にリンパマッサージをおこなったり、背中や足首などをゆっくりと伸ばしてコリをほぐすなどのストレッチがおすすめ。
膝や腰などの関節をゆっくりと動かすことで、筋肉がほぐれて肩こりなどを解消できます。
さらに足の付け根や膝の裏側・鼠蹊部などをしっかりと指圧することで、リンパの流れが改善され足の疲れにも効果的といえます。
ポイント⑦ぬるめのお湯に入るか、熱めのお湯に入るかを使い分けましょう
入浴後すぐに就寝したいときには、熱いお湯に入ることはおすすめできません。
あまりにも熱いお湯に入ってしまうと、交感神経を刺激しすぎて安眠するためのメラトニンという脳内物質が分泌されづらくなります。
すぐに眠りたいときは、なるべくぬるめのお湯につかり、体をリラックスさせることがポイント。
入浴後は、20分~30分の間にベッドに入ると寝つきがよくなるといわれています。
逆にお風呂の後に少しだけ作業をしたい人は、熱めのお湯にささっと入ることで、目が覚めて仕事がはかどるでしょう。
しかしお風呂の後は湯冷めをして、風邪をひいてしまう原因にもなるので、体を冷やさないように注意しましょう。
美肌とバスタイムに関するQ&A
バスタイムで美肌や美ボディーを作るためのポイントについてはご理解いただけたと思います。
今から美肌とバスタイムにまつわるQ&Aについてご紹介します。
Q:温泉には美肌効果がうたわれた成分が、たくさん入っていますよね。しかし温泉の成分には、酸性からアルカリ性までいろいろな成分があると思います。どちらの方が肌に良いのでしょうか?
A:「肌は弱酸性がよくて、アルカリ性はよくない」そんなイメージを漠然ともっていませんか?
しかし酸性であってもアルカリ性であっても、すすいだ後は中性になるといわれています。
酸性であってもアルカリ性であっても、どちらも古い角質を落とすための角質溶解効果があるので、温泉に入ると肌がすべすべになるのです。
温泉には一種のピーリング効果と同じ効果が期待できるので、ニキビ跡やアトピーが改善されることもあります。
一方敏感肌の人や肌トラブルが多い人が温泉に入ると、逆に肌荒れをひどくするケースもあるので、肌がしみるなどの刺激を感じたときは長居はしないようにしましょう。
Q:汗をかくと体内の毒素をデトックスできるような気持になるのですが……。汗はかけばかくほど良いのでしょうか?
A: なぜか汗をたくさんかいた方が、新陳代謝がアップすると考えている人が多いようです。
しかし汗がでるから代謝がアップするのではなく、運動することで汗が出て代謝がアップすることは覚えておきたいポイント。
つまり運動をまったくせずに入浴だけで汗をかき、体内の毒素をデトックスできるとは言い難いでしょう。
汗が出る場所でもある汗腺については、定期的な運動によって汗が出やすくなるなどの症状はあります。
しかし汗のかきすぎについては、夏場は肌トラブルになったり汗シミの原因にもなりかねません。
湯船でいっきに汗をかくというよりも適度に汗をかく、またはかいた汗をキレイに洗い流すくらいの認識の方がよいかもしれません。
Q:バスタイムに何かおすすめのリラクゼーション方法はありますか?
A: 入浴剤を入れるのもよいですが、時にはアロマテラピーなどの精油を3滴ほど垂らしたり、お気に入りのバスソルトなどを入れて、五感から癒されるバスタイムを過ごすのもよいでしょう。
もともと入浴剤の効能とは心理的なリラクゼーションがほとんど。
あなたの好きな香りを嗅ぎながらストレッチやリンパマッサージをして体のコリをほぐすことが、何よりのリラクゼーションになります。
入浴剤の中には保湿効果や発汗作用、血行促進などをうたったものもありますが、それらの効能については、そこまで期待しない方がよいといわれています。
保湿については正しい洗顔方法や後のスキンケアできちんと補うようにし、バスタイムではあくまでも精神的なリラクゼーションを堪能していただければ幸いです。