最近、なんとなく世間でも浸透した「血管年齢」という言葉。あなたも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
正しい洗顔をして、美白やシミやシワ、そばかすやたるみに有効なスキンケアをしたり、保湿たっぷりの美容液で美しい肌をキープするのはアンチエイジングの基本。
しかし、やはり体の外側からだけではなく、内側からもしっかりとケアしなければ、真の意味で若々しい素肌や体を手に入れることはできません。
そこで大事になってくるのが「血管年齢」です。
じつはシミやシワ、たるみやくすみ、白髪や肌の老化などの原因は、毛細血管の衰えであるということをご存知でしたか?
目次
アンチエイジングのカギは、毛細血管を若返らせること!
最近は、NHK系列の番組「ガッテン!」でも話題になりましたが、アンチエイジングと健康の大きなカギになるのが、血管の99%をしめている「毛細血管」だそう。
毛細血管は、お肌と同様に加齢にともない減少するため、肌内の細胞が栄養不足や酸素不足になると、血管年齢はどんどん上がってしまい、シミやシワ、たるみといった肌のトラブルだけではなく、脳や肝臓などの臓器にも影響を及ぼします。
血管年齢をかえりみることなく、不規則な生活ばかり送っていると、認知症などの病気にも繋がるので要注意!逆に毛細血管を若く保つことさえできれば、実年齢よりもずっと若々しく、健康的な状態でいられるといえるでしょう。
毛細血管とお肌の関係性って?
体内の血液は、動脈から静脈の方向へと流れていきます。それをつないでいるのが毛細血管です。
毛細血管は、肌の真皮層にある毛細血管から栄養素や酸素を得ることで、お肌はターンオーバーを促すことができます。
毛細血管をつうじて、腸へと吸収された栄養素は血液といっしょに全身へと送りとどけられるため、毛細血管はお肌の新陳代謝を促すためにも、絶対になくてはならない存在といえるでしょう。
毛細血管は、加齢にともない劣化していきます。
ある調査(毛細血管についての研究)によれば、60代~70代の人は20代に比べて毛細血管が約4割も減少するといった結果がでたそうです。
毛細血管の働きって?
毛細血管内には、内皮細胞と周皮細胞の二つが存在します。
毛細血管の細さは、髪の毛の10分の1ほどの超極細サイズです。
どの細胞にも毛細血管が近くに存在していて、全身に張り巡らされているのが特徴。
毛細血管をつうじて、細胞内に栄養素や酸素がいき届いて、二酸化炭素などの老廃物を外へと送り出す、といった働きをしています。
毛細血管が劣化すると、どんなリスクがあるの?
毛細血管は、加齢とともにどんどん劣化していくということは述べました。
では、毛細血管が劣化すると、どんなリスクがあるのでしょうか。
毛細血管が劣化すると、皮膚に栄養素や酸素などが正常に届かなくなりますよね。
すると、お肌のターンオーバーが正常に保たれなくなるため、シミやシワ、そばかすやたるみ、大人の肌荒れなどを引き起こす原因にもなります。
ちなみに、毛細血管が衰えたときは以下のような症状がでます。
- 肌が乾燥しやすい
- シミやシワ、くすみが増える
- 髪がパサつく、白髪がふえる
- 目が充血する
- 肌の表面に凸凹ができる
- 体が冷えやすくなる
上記のようにお肌の変化にかぎらず、毛細血管が劣化することで認知症や臓器に影響を及ぼした結果、病気になるといったリスクも出てきます。
血液レベルで健康的かつ美しい肌を保つためには、日頃から毛細血管をしっかりとケアして、血管年齢を若々しく保つ努力が必要です。
血管レベルでアンチエイジングを目指すための6つの方法って?!
血管レベルでアンチエイジングを目指すためには、毛細血管を鍛えて血流を良くするのが大きなカギです。
今から、血流アップにより代謝を良くして美肌や美白、シミやシワ、さらにアンチエイジングなどに効果のある方法についてご紹介していきましょう。
①第二の心臓の「ふくらはぎ」を強化!
場所を選ばずに、ラクに血流アップさせる方法はズバリ、「ふくらはぎ」の強化をすること!
ふくらはぎは「第二の心臓」ともいわれていて、強化することで全身の血流を促すことができたり、足周辺の血液を押し戻す効果がアップします。やり方は簡単!
両手と両足をしっかりと挙げてスキップを20回ほどおこないます。朝、昼、晩の、3回に分けてスキップを行うことで、ふくらはぎの血流を促し、全身の血行が良くなります。
20回はあくまでも目安です。体調によっては、無理のない範囲でスキップするようにしましょう。両手・両足をしっかりと挙げることを意識することで、よりふくらはぎを強化することができます。
スキップがどうしても難しいときは、「かかとの上げ下げ」もおすすめ。こちらもできれば20回ほど、朝・昼・晩に分けておこなうようにしてください。
この方法であれば、歯磨きしているときに「ながら作業」としてできたり、移動時間や待ち時間にもできるので結構便利ですよね。
参考:NHK系列「ガッテン!」
②入浴後のストレッチ!
毛細血管の力を高めるためには、入浴後のストレッチは欠かせません。
しかも、深呼吸をゆっくりとしながら取り入れることで、副交感神経が優位な状態になります。
すると、毛細血管がゆるんで血流アップにも繋がり、心身ともにリラックスすることができます。
ストレッチといってもやり方は、とってもシンプルな7ステップ。
7ステップ
- 両脚を開いた状態で床に座ります。
- ゆっくりと前屈して、背中や腰の筋肉を伸ばしましょう。
- 右脚にお腹をつけるような状態で体を倒します。
- 体を倒した状態で、息を細く長く吐き続けます。
- 同じように左脚にもお腹をつけた状態で体を倒します。
- 体を倒した状態で、息を細く長く吐き続けます。
- これを10回程度おこないます。
体が硬い人は倒せる範囲でもよいので、できる限り背筋などの筋肉を伸ばすように意識しましょう。全身の筋肉が伸びれば伸びるほど、血流はアップします。
③質の良い睡眠をしっかりととる
健康的な血管を維持するためにも、睡眠の質は大事です。
質の良い睡眠は、脳を休めるだけでなく、アンチエイジングや美肌をかなえるためにも必須だからです。
4時間程度の短い睡眠では、睡眠中におこなわれる体の修復機能などが十分には働きません。
リラックスしているときや、睡眠をとっているときに副交感神経が優位な状態にならないと、血管は拡張されたままになります。
血管をゆるめるべきときにそれができないと、血流が悪くなって体に異変を起こしかねません。
毛細血管の力を高めて若々しい血液を手に入れるためには、しっかりと睡眠をとり、血管を緩める時間をとることが大切です。
④タバコをやめる
タバコは、血管を傷つけるだけなので、健康や美肌、アンチエイジングのためにもやめるのがベスト。
煙草を吸うことで、体内に活性酸素が溜まって肌の細胞が酸化していきます。
すると、血管を傷つけるだけでなく、肌のシミやシワ、肌荒れやたるみ、ニキビや白髪などの原因にもなります。
活性酸素は喫煙によって増えるといわれているため、美肌やアンチエイジングを目指すのであれば、タバコだけは今すぐやめた方が賢明といえるでしょう。
ちなみに活性酸素は、血管や肌の細胞だけでなく遺伝子、臓器や遺伝子なども傷つけるといわれているため、恐ろしいものであることはちゃんと認識しておきましょう。
⑤ヘルシーな食生活に切り変える
血管を若返らせてアンチエイジングを目指すためにも、やはりヘルシーな食事は必須。
例えば、減塩を意識するだけでも血管年齢が若返るという効果が期待できます。
塩分の過剰摂取は高血圧だけでなく、血管を痛めて血管そのものの機能を低下させるといった負のスパイラルをおこしかねません。
血流に良い食べ物として知られているのが、青魚や大豆食品。これらに含まれているたんぱく質は、肌のターンオーバーを促進させるといった働きがあります。
とくに植物性たんぱく質である豆腐や大豆食品には、肌のシミやシワなどを抑えてくれる抗酸化作用があります。
飲料としても人気の大豆イソフラボンには、血液をサラサラにしてくれる成分が含まれているため、定期的に摂取することをおすすめします。
ちなみに……毛細血管を健やかにするために手軽にとれるものがルイボスティーやシナモン、ヒハツなどです。
これらの成分には、毛細血管内を活性化させ周皮細胞と内皮細胞を結び付けて強化させる「Tie2(タイツー)」の働きを活発化させる働きがあります。
ルイボスティーとは、南アフリカ共和国にある植物の葉から作られたお茶のことです。
ルイボスティーには抗酸化作用があり、血液の流れをよくするだけでなく、肌のシミやシワ、くすみといった大人の肌荒れにも有効です。
毛細血管内を活発化させる成分によって、肌の毛細血管までしっかりと血液を送り込めるようになるため、顔全体の血色もよくなり、体に溜まった老廃物もしっかりと排出されます。
シナモンは、お菓子などの香辛料として有名ですよね。
お菓子だけでなく、チャイなどの紅茶にも使用されたり、手作りフレンチトーストやアップルパイなどにプラスしても美味しいと、女性にはとくに人気のスパイス。
独特の風味が特徴のこのスパイスを定期的に摂取することで、タイツーの働きがよくなり、毛細血管の老化防止や修復、血流アップ効果が期待できます。
ヒハツとは、黒コショウにも似た香辛料です。
ヒハツにもタイツーの働きを活発化させてくれる成分が含まれています。
毛細血管などの内皮細胞と周皮細胞にすき間を作らないことで、毛細血管が外部へと流れ出ることなく、体にしっかりと栄養素や酸素などを運び、血液のめぐりを良くしてくれます。
その結果、肌のシミやシワ、たるみや肌荒れといった肌の老化や脱毛などのトラブルを防ぐといった効果も期待できます。
最近では「ヒハツオイル」なんかも登場していますよね。美肌や美髪に効果的なオイルとして口コミでも話題のようです。
⑤日常的に適度な運動をする
血管年齢を若々しくキープするためには、食事はもちろん定期的な運動をする習慣を身に着けることが大事です。
毎日、長時間運動する必要なんてありません。たとえ、一日10分程度の運動でも続けることが大切。
Youtubeなどでググってみて、ラジオ体操に合わせて体を動かしてみたり、ズンバやバレーなどのダンスを数分するだけでも全身の血の巡りがよくなって、血管を健やかな状態に保つことができます。
下半身は加齢とともに劣化しやすいため、スクワットなどで下半身をメインに筋肉を鍛えるのもオススメ。
他にも階段の昇降運動をしたり、出勤や買い物時に、「一駅先まで歩く」といった習慣も血流アップには欠かせません。
⑥冷え性を改善する
女性の中には、冷え性な人が多いと思います。じつは体の冷えは、血行不良の大きな原因の一つともいわれています。
自宅で簡単にできる冷え性対策としては、マッサージや半身浴、入浴後のストレッチなどが有効です。
日頃から足元をできるだけしっかりと温めるように気をつけたり、食生活を見直すことで、冷え性をある程度、改善することはできます。
冷え性を改善するのに最適な野菜は、かぼちゃ、ニンジン、ショウガ、ゴボウなどです。
これらの野菜には、体を温める効果があると注目されていて、体内の代謝を促したり、美肌を作る成分なども豊富に含まれています。
他にもホットヨガなどは体をぽかぽかにして血の巡りを良くしてくれたり、疲労回復などのメリットもあります。
~美肌後記~
今回は、「毛細血管を鍛えて、血管レベルでアンチエイジングを目指すための6つの方法」についてご紹介しました。
ハリのある白い肌や、血管レベルで若々しい体を手に入れるためには、常に血管年齢を意識してスキンケアをおこなったり、食事や運動に気をつけるなど、トータルなケアがとても重要になります。
血管年齢についてどうしても気になる方は、循環器内科などで血管年齢を検査してみるのもよいでしょう。
見た目だけでは決してわからない血管年齢や現在の血管の状態を知ることで、病気予防だけでなく、血管レベルで美しい肌を目指したり、健康的な毎日を送ろうと思うキッカケにもなるはずです。