皆さんがご存知のように、お肌は年齢や環境によって変化が生じます。
お肌のコンディションが変化しているのに、ずっと同じスキンケアをしていてもよい効果は生まれません。むしろ、肌ダメージの一因にもなりかねないからです。
今回は、年代による肌の特徴や変化などについて詳しく説明していきます。これをきっかけに、自身の肌の状態やスキンケアについて見直してみてはいかがでしょうか。
目次
意外と知らない! お肌の構造とはたらき
お肌の構造については、意外に知らない人が多いのではないでしょうか?
お肌は「表皮」と「真皮」から成り立っていて、それぞれの構造やはたらきをきちんと理解しておくことで、あなたが使っている基礎化粧品などがどう肌に作用し、なぜスキンケアを見直すべきなのか、といったことを理解できるようになります。
とくに肌の水分を保持したり外的要因から皮膚を守って、肌の弾力やハリを出してくれる真皮の構造については最低でも身につけておきたい知識といえるでしょう。今からそれぞれについて詳しく説明してまいりましょう。
お肌の仕組みについて知りましょう!
人間の肌は、表皮や真皮、皮脂腺や汗腺、血管、毛穴などを含めて形成されています。今からそれぞれについて説明してまいります。
~表皮について~
表皮とは肌の表面の部分です。表皮は上から角質層、角質細胞、表皮細胞、基底層、そしてメラノサイトなどで形成されています。
表皮では、ターンオーバーにより基底層にある表皮細胞が生まれ変わって、上に押し上げる状態になり、古い角質細胞が不要な垢となってはがれ落ちる仕組みです。表皮の角質層で肌が生まれ変わるサイクルを繰り返すことにより、健康的な肌が作られているといえるでしょう。
メモ
角質層
表皮細胞
基底層
~真皮について~
真皮とは、表皮の下にある部分です。真皮はコラーゲンとエラスチンなどの肌の弾力やハリを出す繊維状の成分と肌の水分保持の役割を果たすヒアロルン酸というゼリー状の物体によってできています。
メモ
ヒアロルン酸
保湿力が高いので、化粧水などに配合されているケースが多いです。しかし、通常のヒアロルン酸が吸収されるのは角質層までといわれています。真皮にまでヒアロルン酸が届くわけではないそうです。
コラーゲン
エラスチン
~皮脂腺について~
皮脂腺とは、皮脂を分泌する細胞が集結してできたものです。分泌された皮脂は皮脂腺をつうじて肌の表面へと排出されます。
~汗腺について~
汗腺とは汗を分泌する細胞が集結した部分です。
~血管について~
血管は、真皮内を網目状に張り巡らせて、酸素や栄養部を運ぶなどの役割をしています。
~毛穴について~
毛穴は、別名「毛包」とも呼ばれます。毛根部分で毛が伸びるように作られては抜ける、といった作業を繰り返しています。
20代前半の肌の特徴とおすすめのスキンケアについて
20代前半の肌は潤いと弾力で満たされています。
角質層での新陳代謝(ターンオーバー)も滞ることなく促されていて、コラーゲンとエラスチンがしっかりと網目状で支えあっているため、肌にハリや弾力があります。
不規則な生活が続くことでニキビなどに悩まされることもありますが、きちんとしたケアさえすれば大きな肌トラブルに見舞われることはないでしょう。
20代前半におすすめの肌ケアは紫外線のダメージからしっかりと肌を守ることです。
20代だと紫外線による肌へのダメージの意識が少ないのが現状です。しかし、紫外線はどんどん蓄積されていくもの。20代前半のうちからしっかりと紫外線やUVケア対策をすることで、アラサー、アラフォー世代になったときに肌の違いが格別に表れてくるものです。
20代後半の肌の特徴とおすすめのスキンケアについて
20代後半に入ると、20代前半とは肌の調子が大きく変わったことに気づき始めるかもしれません。
なんとなくシミや乾燥、そばかすなどが気になってきたりもしますよね。くっきりとシミなどが肌に表れなくても、着実に紫外線を受けることによる肌へのダメージは蓄積されていきます。
それに、女性の美肌や美髪などを作るために欠かせないエストロゲンというホルモンは25歳を機にどんどん減少していくといわれています。
そのため、きちんとしたスキンケアをしないと肌劣化が始まり、シワやシミ、そばかすや大人ニキビ、たるみなどが出てきてしまうので要注意!
20代後半におすすめのスキンケアは、UVケアだけでなく、保湿をメインにしたスキンケアをおこなうことです。
セラミドやヒアロルン酸などの保湿成分が配合された基礎化粧品や医薬部外品などを使用し、しっかりと肌を保湿することをおすすめします。化粧水だけでなく、美容液や美容クリームなどと合わせて使うことが重要です。
あとは、仕事などによるストレス対策や生活習慣の見直しも大事になります。20代後半は仕事の責任が増えて過度なストレスを抱えることで顎周辺に大人ニキビを発症する人も少なくありません。
有酸素運動をしたり趣味を持つなどして、日頃からストレス解消をする習慣を身につけ、体の内側からキレイになれるような生活をしましょう。
30代の肌の特徴とおすすめのスキンケアについて
30代に突入すると、セラミドがいっきに減少してお肌の乾燥が目立ちやすくなります。気をつけていてもなんとなくシミやシワ、たるみなどが気になる頃ではないでしょうか。
加齢によって肌の新陳代謝(ターンオーバー)が滞り始めるため、肌にゴワつきが出たり、シミやシワ、たるみなどの症状も出てきます。
保湿成分として高い効果を発揮するセラミドが減少すると、肌の乾燥は進行していきます。また、真皮のコラーゲンの減少や変性により肌のハリや弾力も少しずつ失われていきます。
30代後半におすすめのスキンケアは、肌の弾力をアップさせて保湿力をあげるためにも、セラミドやビタミンC誘導代などの医薬部外品の美容液などを積極的に使うことです。そうやって肌の新陳代謝(ターンオーバー)を活性化させてコラーゲンやエラスチンの減少を食い止めることが美肌のカギとなります。
40代の肌の特徴とおすすめのスキンケアについて
40代になると肌の老化がいっきに加速します。
いくつものシミが目立ったり、角質層のターンオーバーも滞るようになるので肌のくすみやゴワつきなどなどの症状も出てきます。真皮のコラーゲンやエラスチンの量も減少するため、乾燥もひどくなり、シミやシワ、たるみや毛穴も目立つようになります。
この頃になると、10代から蓄積されてきた紫外線による肌へのダメージがシミやシワ、くすみやたるみなどの症状によって出てきます。
また、コラーゲンやエラスチンだけでなく、女性ホルモンであるエストロゲンも減少していくので、肌のハリや弾力が失われるだけでなく、乾燥やたるみによる口元のほうれい線などもくっきりと出てきます。
エストロゲンとは、女性ホルモンの一種で、エストロゲンがたくさん分泌されることで美肌はもちろんのこと、髪の毛が美しくなったり、全身の代謝を高めるなどの働きがあります。 エストロゲンは、25歳頃から減少し、更年期に入るといっきに減少するといわれています。
エストロゲンの分泌を増やせば増やすほどアンチエイジング効果も期待できるので、保湿効果の高いスキンケアや紫外線のUVケアだけでなく、規則正しい生活習慣や栄養バランスの見直しなども同時にしてみるとよいでしょう。
ポイント
40代におすすめのスキンケアは、30代同様にセラミドやビタミンC誘導代などの保湿力の高い医薬部外品の美容液やクリームを使ったり、ピーリングなどで古い角質を落として新しい肌へと生まれ変わらせる努力をすることです。
シミ予防といった意味では美白化粧品なども有効ですが、あまりにもシミが濃くなってしまうと早期に解決するためには美容皮膚科などのレーザー治療といった選択肢も出てくるでしょう。
他にも40代になるとほうれい線がくっきりと目立つようになるので、スキンケアに限らず定期的なヨガなども効果的です。
ほうれい線ができるメカニズムは、肌の真皮層にあるコラーゲンやエラスチンの減少が理由に挙げられます。
そして、真皮層の下層にある表情筋肉が収縮し、組織細胞が劣化することでほうれい線ができやすくなるのです。ほうれい線は、小ジワや中ジワなどのシワの中でももっとも深い陥凹(かんおう)ジワの一種。これが深くなると改善するのに厄介です。
くっきりと出来たほうれい線を改善するためには、スキンケアだけでは正直難しいので、合わせて顔マッサージをすることをおすすめします。
例えば、顔の脂肪が垂れるのを予防する働きがある広頸筋と、口角アップに欠かせない口角下制筋の両方に働きかける顔の筋トレをするとよいでしょう。鏡を見ながら唇で「オ」のフォームを作った状態で、唇を縦にした状態をキープし、ほうれい線を薄くさせるトレーニングをおこなうのも効果的です。
他にも、てのひらを左右の口角に当てた後、耳の外側に向かって口角を引っ張り上げるのもほうれい線の改善には有効です。これらは、ほうれい線だけでなく、40代特有のシワやたるみにも有効的な表情筋を鍛える方法ともいわれています。
ターンオーバーのサイクルは年齢によって変わる!?
ターンオーバーとは、表皮細胞にある基底層で新しい肌が生み出され、古いものが剥がれ落ちるまでの周期のことを意味します。
20代の頃のターンオーバーの周期は約28日です。しかし、加齢に伴いこのターンオーバーはどんどん乱れていきます。40世代にも突入するとターンオーバーの周期は約40日間に変化するそうです。
新陳代謝(ターンオーバー)が滞るようになると、古い角質細胞が肌に溜まり、肌が急に硬くなったり、ゴワついてくすみなどが目立つようになります。
ピーリングなどで古い角質などを除去するなどの努力をしないと、肌トラブルはどんどんひどくなる一方。顔に集中的にシミができたり、たるみ肌やほうれい線などが目立ってくるようになります。
ターンオーバーを滞らせないためには、肌のスキンケアだけでなく、毎日の規則正しい生活や肌によいビタミンCやたんぱく質といった栄養バランスのとれた食事をとることも大事になってくるでしょう。
~美肌後記~
今回は「20代、30代、40代の肌の変化と特徴。年代別におすすめのスキンケア対策について」についてご紹介しました。
人間のお肌の構造とは、何層にもなってできているという事実をご理解いただけたと思います。
表皮と真皮の違いに始まり、肌の奥まで潤いを与えるためには真皮層にまでしっかりと潤いを届けなければいけないなどの基礎知識は、正しいスキンケアをするためにも欠かせません。この機会にぜひ参考にしてみてくださいね。